コラム 花の散歩道

花の散歩道

冬の花

椿とスイセン(水仙)






椿

早春の代表的花木(かぼく)である椿は本来、日本に野生するヤブツバキのことであるが、ヤブツバキの材は硬く器具や、 建材として用いられ又、種からとる椿油は頭髪用、灯火用、食用に利用されます。 名前の由来は葉が厚いので「厚葉木」が転じたとされる説や葉に艶があるので「艶(津)葉木」が転じたとされる説もあります。

椿は「古事記」「日本書紀」「万葉集」の中では神聖なものとして捉えていた記述がよく見られ、呪術的な魔力を持つ植物ともされています。 イタコと呼ばれる巫女が椿の槌を呪具としており、これを縁の下に隠すと霊界との交流が絶たれると伝えられており、 伝説で知られる若狭の八百比丘尼が白玉椿を手にして各地を巡歴して旅先で実を蒔いたり枝をさしたりして その生育で神意を占ったと言います。

なぜ、このように信仰の対象となっていったかと言うと、春に先駆けて寒中に花をつけ、春の到来を告げる聖なる木という見方が一般的です。 子供のはしかや、災難よけに椿で作った槌をつける風習があるところもあり、紀州では正月に門松の代わりに椿を門口に立てる 風習が伝えられています。しかし、椿は神聖視されると同時に縁起のよくないイメージも持たれていて、 昔話の中では、ツバキは人影花として、人間の数だけ花をつけ生命の指標とされ、花の落ちる様子が首が落ちるようだといい、 縁起が悪いと言われる椿を庭に植えないところもあります。

★One Point Advice!
■いけばなでは、用いる時に首が落ちないよう、花を虫ピンで留めて使うと良い

スイセン(水仙)

ギリシャ神話に登場する美少年ナルシッサスが水面に映る自分の姿に恋をし長い間見つめているうちに疲れ果てて死に、 その場所に咲いた花がスイセンだと言う伝説に由来しています。又、ローマ帝政時代の博物学者、プリニウスは、 水仙の種に催眠性があると記述している。かつては、「麻酔剤」今は、「麻薬」を意味する英語のnarcoticと言う言葉の起源も 水仙と関係があるのかもしれません。

日本では室町時代には既にいけばなで水仙が用いられていたが主にニホンスイセンを指し流派によっては、 葉の組み方などに細かい決め事があるところもあります。

★One Point Advice!

基本的な葉の組み方

本来は花の方が葉よりも高い位置で咲きますが花を葉よりも低くいけると葉のねじれの表情の美しさが強調されます。 その高さを変えるには水仙の葉の組み替えをします。

先ず、花を包んでいる根元の白い部分(「はかま」と言う)をよくもみ、花、花に近い葉から順に抜いてバラバラにしていきます。 バラバラになった花、葉は長さを調節してもう一度、はかまをはかせます。 (花を抜いた「はかま」は乾かないよう、水につけておくと花を再び入れる時、入れ易い)

▲ページトップへ